経営者の方へ

従業員退職金準備

1.適格退職年金制度の廃止について

平成24年3月末で、税制適格退職年金制度は廃止されます。現在はその移行期間であり、「退職給付(退職一時金・退職年金)をやめるのか」あるいは「退職給付制度は残し、他の制度へ移行をするか」の選択を迫られています。


2.退職給付制度の完全廃止か、他制度への移行か

(1)完全廃止の場合

A.メリット
将来に向かっての債務減少等
B.デメリット
退職給付制度廃止に伴う不利益変更への対応、福利厚生制度の低下、従業員のモチベーション低下、従業員の将来的不安感の増大等

(2)他制度への移行の場合

A.メリット
福利厚生制度の維持、従業員の将来的不安の解消等
B.デメリット
将来に向かっての債務が減らない、移行手続が複雑かつ面倒 等

3.退職給付制度の移行について

適格年金をどうすればよいのか、退職給付制度は廃止する方が良いのか、残した方が良いのかを検討し、参考となる手法と退職給付制度についての考え方を記載いたします。
退職給付制度見直しには一般的に以下のような選択肢があります。

(1)課税移行

A.自社(社内)積立
社内で退職金を積み立てた場合は、損金算入も出来ないので課税されることとなる。

(2)非課税移行

A.確定給付企業年金(DB)・厚生年金基金
積立義務・受託者責任、情報開示義務等の面から中小企業にとっては、適格年金よりも負担増となり一般的には採用されないケースが多い。取扱手数料がかかる。
B.確定拠出年金(401k、DC)
「掛ける金額だけ決まっている」企業年金制度。取扱手数料がかかる。初期の投資教育の経費や60歳以後しか受け取れないデメリットがある。
C.中小企業退職金共済制度
適格年金からの移行制度として多く採用されているが、移行の場合、助成制度は受けられない。
D.特定退職金共済制度
制度的には、中退共とほぼ同じ。掛け金が、1,000円から認められるほか、短期の退職にも対応する。商工会議所・商工会で手続をするが、運営は生命保険会社が委託されて行っている。 適格年金の積立金の移換はできない。
E.生命保険の活用
生命保険会社が提案する退職給付準備制度。事業資金の一時的な借り入れとして使うこともでき、融通性もあるので経営者側からの人気は高い。

参考)本資料は平成22年7月1日現在における税制・法令に基づき掲載しております。
詳細は省略しておりますので実際の活用に当たっては専門家にご相談されるようお願い致します。


(中退共と生命保険)

  適格退職
年金制度
中退共 養老保険 長期平準
定期保険
加入者範囲 従業員全員 従業員全員 原則役員・従業員全員 一部の従業員でも可
役員の加入 不可 不可   可能
経理処理 全額損金算入 全額損金算入 1/2損金算入 保険期間により全額損金または1/2損金算入
定年・中途
退職者
従業員に支給 従業員に支給 規程に基づき
企業が従業員
に支給
規程に基づき
企業が従業員
に支給
死亡退職金 遺族へ直接支給 遺族へ直接支給 遺族へ直接支給 規程に基づき
企業が遺族
へ支給
運用・予定利率 変動 変動 固定 固定
積立金の利用 不可 不可 可能
(契約者貸付
制度)
一般的には可能
(契約者貸付
制度)
退職金制度・年金制度
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